抜歯すら困難な根っことですので、的確な根管治療ができるかどうか…

骨髄炎との診断結果

日付、時間:2004年8月24日 20:37  氏名:   R   
所在都道府県:  北海道  職 業:  会社員  年 齢: 38歳      性別:   female  

骨髄炎との診断結果 質問:
 初めまして。今回歯痛のため色々調べているうちに、先生の本を読ませて頂きご相談 にのって頂きたく投稿致しました。よろしくお願い致します。
3月に下の6番と思われる歯が痛くなり、歯科を受診しました。鎮痛剤と抗生物質をも らい、クラウンを外し根の治療のようなことをしてもらいましたが、段々痛みが強くな ったため、再度全体の写真を撮ると、病巣があり、根が長いうえ、かなり曲がっており、 抜歯するにしてもうちでは無理と言われ、口腔外科を紹介されました。
 24時間鎮痛剤が手放せない状態が1ヶ月続き、腫れは無いのですが唇の辺 りにしびれも出ていました。CTを撮ると、白いモヤモヤしたものが写っており、骨髄 炎との診断結果で、抜歯を勧められましたが、難抜歯のうえ「抜いたからといって炎症 が治まらなければまた痛みがでるかもしれない」と言われました。妊娠を希望している のを先生に伝えているので、余計その前に抜いたほうがいいとのことでしたが決心がつ かず、出来れば抜歯をせずに治療したい気持ちと、いつ再発するのかという不安もある ため、他の根管治療をしてくれる歯科に行きましたが、先のほうまで薬が入らずやれる だけやって、またかぶせて終了というのが現在の状況です。その後重たいような不快感 はあります。このような状態の歯でも再度根管治療することで良くなる可能性はあるで しょうか?
遠方なのですが、先生にお願いする場合短期間での治療は可能でしょうか?

8|抜歯前パノラマ(4年前)
骨髄炎との診断結
初診時パノラマ
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765|Dental
骨髄炎との診断結
回答
 実際に処置する立場としては、必ず治るとは言いにくいものです。大切なことは、 問題の6番以外に怪しげな歯…つまり根管治療をしている歯があるかないかを確認 して6番しかないということであれば、抜歯すれば治るはずです。
 根管治療が原因だとすれば抜歯しなくても的確な根管治療ができれば同様に治る はずです。が、しかし根が長いうえかなり曲がっておりということで、おまけに抜 歯すら困難な根っことですので、的確な根管治療ができるかどうかかなり疑問に思 います。他の歯医者で不可能と言われた根管治療をかなりの確率で治している私で すが、このケースに関しては全く自信がありません。ご近所であれば、とにかく1 回治療してみて可能性があるかどうかを確かめてみる価値はありますが、勝算が薄 いのにわざわざ遠方から来ていただくには荷が重過ぎます。
 根管治療ができるかできないかの判断をして、できるとするならば1日で根管治 療は終わります。


返信:2004年8月26日 0:06
 難しい歯だということですが、根菅治療が出来れば治るということが分かり、少し 希望が持てました。ただ、先生に見ていただいて抜歯するしかないということであれば 納得できる気がします。

回答:
 歯槽膿漏やその他の歯のこともありますので、現状把握と今後の対処方法を知ること ができますので来ていただく値打ちはあると思いますが… 問題の歯はかなり期待薄だ と思いますよ。


レントゲン診断:
 「抜いたからといって炎症が治まらなければまた痛みがでるかもしれない」という 言葉を裏返せば、右下6番が原因ではないかもしれないということです。レントゲン と症状の推移をみて私は6番が原因であることに大きな疑問をもちます。
 確かに根が長く弯曲しており根尖病巣らしき像も認められます。しかし、何時治療 したかも分からないほど昔に抜髄して、不真面目な根管充填ですがその間に痛みを感 じることなく過ごせて病巣もあるか無いかの成長ということは、結果オーライではあ るけれども成功の部類に入る根管治療です。同じようなことが反対側の7番にも言え ます(病巣は小さいけれどもより鮮明)。両方とも (6|7)何事もなければうかつに 根管治療すべきではない歯だと思います。
 また、6番の根尖病巣や骨髄炎ということであれば、抗生物質が効かなくて1か月 も飲み続けることも不自然な印象をもちます。結局のところ、何もしないで1ヶ月後 には症状が消失して“右あごの不快感”が残るということから推測して疑うべきは 歯髄炎→歯髄壊死ではないでしょうか。

 歯髄炎を起こす要素のある歯としては、右上6番・5番、左上6番。そして右下 7番・5番・4番、左下5番・6番です。その中で最も疑いが濃いのは右下4番で 大きな二次カリエスと根尖部の小さな病巣らしき像が気になります。次いで怪しい のが右上6番ですが、まずは右下4番を疑って歯髄の生死や異常がないかを疑って 精査してもらってください。レントゲンでみる限り4番の二次カリエスは著しく、 例え神経が生きているにしても抜髄が必要な歯のように見えます。


返信:2004年8月29日 22:40
 「抜いた後も痛みがでる・・・」という理由は、病巣が深いところまでいっており、 それをきれいにするには難しく高酸素治療できれいにする必要もでてくるかもとの事 でした。
 先生大変な事に気づいたのですが、歯の番号は前から数えていいのですか?
(前歯2本を1として)すると私の歯は上14(親知らず含む)、下12しかないの で前から数えると下の7番はないのです。それとも親しらずを8として後ろから数え るのでしょうか?ならばそれは無いので奥から2番目は6番と呼んでいいのでしょう か?

 重たいような不快感があるのは唇の前の方なので右下4番(奥から4ですよね) が原因かもしれないというのもうなずけます。だとすると、奥から2番目(6?) は抜歯の必要もないということですよね。まずは、早急に大学病院で検査依頼してみ ます。つきましては、お手数ですが一度レントゲンをこちらに送って頂けますか。結 果の状況によっては先生にお願いしたいと思っています(根菅治療は難しいと分かっ た為)。よろしくお願いいたします。

昨日のメールに追加の質問させてもらってよろしいでしょうか。
右下4番は銀歯になっているので、神経が生きていれば根菅治療の不完全でやりな おしということですよね?
その場合先生の所で精査・治療は可能ですか?
それとも、こちらの大学病院でやったほうがいいでしょうか?
早く治療をして、痛みの再発におびえない生活にするためにどの方法が一番良いのか、 教えていただけますか?
本当にお忙しいのに、申し訳ないですがよろしくお願い致します。

回答:
 根尖部分に腫瘍があるならともかく、高酸素治療の件は考え方が間違っていると 思います。根管治療に問題があって根尖病巣がある場合、抜けば必ず治ります。 逆に治らない場合というのは、原因が根管治療や根尖病巣とは全く関係なかった 場合です。  歯式は前歯の中心から後ろに向かって123と数えますが、左右とも前歯が一本づつ 少ないので134と数えて見て下さい。ちなみに後ろから数えた歯(親知らずが8で今 残っているのが7番)で当たっています。

 この4番はおそらく過去に神経をとっていないと思います。過去に大きなむし歯 治療していたものが更にむし歯が進行して神経が炎症を起こした。その時の痛みが 3月の痛みであって、6番をいくらつついても症状の変化はなく、ついに1ヵ月後 に4番の神経が死に絶えたために一旦痛みが小康状態になっている。ところが神経 が死んで今度は根尖部分に炎症が起きかけなので違和感があるというシナリオです。
 まっ当たっているかどうか分からないけれど、このシナリオに沿って4番の状況 がどうなのかを大学病院で見直してもらってください。右上6番にも同じような 可能性があります。まぁその場合、大学病院で最高レベルの治療が行なわれている とされていますのでそこで治療されるのが良いと思いますよ。大切なことは、本当 の原因が何であるかを特定することです。


返信:2004年8月30日 23:04
  よく分かりました。高レベルの治療をしてくれると期待して大学病院に行っ てみます。右上6番と右下4番見てもらいます。でも長々とかかるのではと心配 もありますが・・・本当に、この不快感の原因が何か知りたいです。
 色々と、ありがとうございました。レントゲンもお手数おかけしてすみません。 姫路駅のほう、台風で大変だって聞きました。気をつけて下さいね。