強い炎症があって麻酔が効き難い状況。
虫歯にはなっていない

日付、時間:2003年5月7日 1:11 氏名:  MS  
所在都道府県:  山口  職 業:  主婦  年 齢: 32歳      性別: female 

虫歯にはなっていない 質問:
 初めて質問させていただきます。3週間ほど前、上顎右7が何となく浮いた感じで歩くと その振動で痛みを感じていました。風邪をひいていたのでそのせいだと思ってやり過ごし ていたのですがその1週間後、何もしなくてもズキンと痛く特に噛むと痛くなったので歯科に 行きました。
 歯茎の腫れはなく、熱いもの冷たいものではしみないと言うと噛み合わせを低くしてみると 言われ少し削られました。その夜からかなり痛みが強まりこめかみから頭にまで響き食事も出 来ない状態で、翌々日歯科へ行きました。レントゲンには神経の炎症は写ってないけどあけて みないとわからないと言われ、神経取りますか、どうしますかと聞かれてその痛みから解放さ れたく、その場で抜髄をすることにしました。
 この歯は以前に浅い虫歯治療の跡がありますが今回は虫歯にはなっていないとのことでした。 やっぱり少し炎症を起こしてましたと言われて帰ってきたのですが、何となく気になりいろい ろ調べるうちにこのサイトにたどりつきました。今日で3回目の治療でしたが根の掃除中すご い痛みがあり耳の奥が痛いと言ったところ麻酔をして続行されました。神経がまだ残っていた ので、とのことでした。歯槽膿漏による外からの炎症もある、神経を殺す薬を入れたの で様子を見るため次回は2週間以上あけてから、痛みがなければ充填といわれました。

 質問ですが、先生のように即日充填という手法もあるのにこんなに間をあけていいものなの でしょうか?
そもそも抜随の決断は早まったのでしょうか?
他の方の質問ではたいてい虫歯などで神経が死んでいるのがあきらかなパターンが多いように 見受けましたので、なんかまだ生きてるのを取ってしまったのでは、という気持ちになってし まってます。
一度炎症を起こした神経は自然治癒とかしないで、必ずだめになるのでしょうか?
風邪も完治しておらず鼻から耳にかけて時々痛みます。副鼻腔炎の項も見させていただきまし たが耳鼻科にも行くべきでしょうか?
とりとめのない質問でごめんなさい。今かかっている歯科ではどうしてもうまく質問できず、 お門違いですが先生にメールさせていただきました。よろしくお願いします。

回答  打撲などの外傷や歯槽膿漏末期にも虫歯とは全く無関係に歯髄が炎症を起こすこともあります。 また稀には原因が特定されないにも関わらず歯髄の炎症が起こったり、いつの間にか歯髄が死んで 根尖病巣ができている症例に遭遇することもあります。
 術前の症状、術中の痛みなどから考えて歯髄の炎症は明らかに存在していたようですので抜髄 自体やむを得ない選択だったと思います。年齢的に“歯槽膿漏による外からの炎症もある”とい うのは適切な説明であったかどうかには疑問を感じますが、強い炎症があって麻酔が効き難い状 況であったことは容易に想像できます(もし本当に歯槽膿漏が関与していたとなると、余程徹底 した歯槽膿漏の治療と管理が必要です)。

 99%を即日充填で処置している私からみれば、無意味というか誤った抜髄方法だと思いますが、 今の歯科界では一般的な抜髄手法ですのでいたしかたのない経過でしょうね。生体の自然治癒能力 がほとんど期待できない領域での炎症ですので、抜髄自体は正解ですし、その手法も非難できるも のではありません。あとは技術的に確かな処置がほどこされて良好な結果が得られるかどうかだけ が焦点です。