インプラント
通常必要ではない治療という認識でしょうか?
このメッセージは、小泉首相宛に送ったメールの全文です。


拝啓 内閣総理大臣 小泉純一郎様

 昨年首相官邸のご意見箱にメッセージを送らせていただいた歯科医です。その時の願いが届い たかどうかは定かではありませんが、2002年4月の保険制度改革により、歯周疾患のメインテナ ンスが大幅に改正され“毎月の歯石除去”が制度として発足いたしましたことは、国民の健康に 多大な恩恵を与えるシステムとして歓迎すべきことと絶賛すると同時に、長年の願いがかなった ことに安堵しております。

 さて、もう一つの懸案である歯科インプラント(人工歯根の移植)に関する保険の扱いにも 大きな問題があります。差額ベッドのように治療結果に影響を及ぼさない“快適さ”が国民健 康保険の趣旨に馴染まないことは分かります。しかし歯牙保存の立場から、インプラントのよ うに明らかな結果の違いを招く治療方法が大学病院のごく一部にしか認められず多くの国民が 多額の自由診療費を工面し、時には断念して歯牙喪失に甘んじている実態は見るに耐えられま せん。

 保険診療下で歯牙を喪失した場合の対処としては、健全な臨在歯を削ってのブリッジか部分 入れ歯です。特に歯周疾患の進行が著明となり動揺しかけた歯を支台歯として使う40歳以上の 症例では、支台歯として使った歯が過剰咬合圧と脱離・ムシ歯などにより連鎖反応のように広 がって、わずか10年〜20年のうちに全てを失うことは統計的にも明らかです。
 その点、欠損部分を人工歯根で補強するインプラントは、連鎖反応を食い止めるだけでなく 咬合圧を分散し、残存する歯を守る役目さえ持ち合わせています。その治療結果が明らかに 異なる治療方法を国民皆保険下の日本で保険外扱いにすることは、治療方法選択の自由を国民 から奪うに等しい行政の怠慢だと思います。

 財政支出を抑制したい保険者と、自由診療を確保したい歯科医師会との思惑が合致している ために保険導入が長年見送られているものと思われますが、保険料を強制的に徴収されている 国民の意思を全く無視した悪政ではないでしょうか。
 本人3割負担の導入という“いたみ”ばかりを押し付けられた上に、健康を獲得するための 選択肢まで奪われ、悲痛な訴えを行政に訴える手段さえ知らない国民の願いをしたためさせて 頂きました。

      2002.4.19.


返信:2002年4月22日 14:25
 小泉総理大臣あてにメールをお送りいただきありがとうございました。いただいたご意見等は、 今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。
 皆様から非常にたくさんのメールをいただいておりますが、内閣官房の職員がご意見等を整理 し、総理大臣に報告します。あわせて厚生労働省へも送付します。

                   内閣官房  官邸メール担当

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