このコーナーでは、日常臨床で疑問に感じた事例を紹介します。

痛くなくても定期的に歯科医院に通ったほうがいい?

定期検診  例えば車は日頃のメンテナンスが大切ですが、歯も同じです。病気になる前にしっ かりメンテナンスをしておくこと。痛いからとか、痛くないからではなく、定期的 に健診にいくことは非常に重要です。歯科の人間ドックというのもありますし、病 気を早期発見し未然に防ぐことが基本。
1年に2回、最低でも1年に1回は定期的に歯科医院にいくようにしましょう。

痛くなってからでは遅い。かかりつけの歯科医師に定期健 診やデンタル・ケアのアドバイスを受けよう。

年に2回は定期健診に出掛けよう・・・・・・日本歯科医師会(日本歯科医師会雑誌より)


 と日本歯科医師会も提唱していますが、ここにも問題があります。 全く健診に行かないよりは、年に2回でも健診を受けた方が口腔の健康を維持に貢献する ことには異論がありません。事実、アメリカの民間保険では定期健診を義務付けることにより 健康の維持と医療費の抑制に効果を挙げているようです。

問題は、年に1回や2回の健診で満足のいく効果が得られる人は、よほど口腔内の環境が 良好な人で全体の1割か2割程度に過ぎないことを認識していないことです。 それと、"健診"といってもただ診ているだけでは効果はありません。健診の際に毎回 スケーリングを行ってこそ効果が挙がることをもっとアピールすべきです。

日本の健康保険制度の下では、"健診"に保険が適応されるかどうかが非常に曖昧です。 また、健診の際に歯石を除去することが必須であるにもかかわらず、スケーリングを行うには 毎回歯周検査をしなくてはなりません。 「検査結果に基づいてスケーリングが必要かどうかを判断して…」という規則があるからです。 歯槽膿漏の治療を本格的に行う場合は検査も必要ですが、健診の際に毎度毎度検査 しなければスケーリングができない仕組みです。検査漬けが非難されているご時世に、 患者さんの嫌がる検査を強要するような規則は一刻も早く改正していただきたいものです。


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