読者推薦欄
この本によると、歯周病予防のためには、毎日の入念な歯磨きケア以外に、一月に一回、
定期的に歯科医院に通って、歯石の除去をする必要があるらしい。
虫歯の治療に行くと、大抵、最後の回に、歯石のクリーニングをやられる。歯科衛生士が手
にした、先端の尖った鉤状のようなもので、歯と歯茎の境目をぐりぐりとやられる。当然、
歯茎は血まみれ。ホント―に痛い!
あれを一月に一回ってか?
勘弁してくれ。でも、歳取ってから、入れ歯になりたくはないし。
読んで、気休めになるどころか、余計な心配の種が増やしてくれる本でした。
切れ味: 可
とうとう左奥の大臼歯3本が駄目になり「部分入れ歯」を使う羽目になった。おまけに、
夜は「マウスピース」をして寝る。歯周病に無神経だったせいだと反省しているところへ、
「さらば歯周病」の書籍の広告が目に入った。今更ではあるが、ボクの歯周病がなくなった
わけではない。また、帯の文句「歯磨き信仰を、まず捨てなさい」も気になって、買って読
んだ。
この本の結論は「歯周病の元凶は『歯石』。これは歯の首の部分、それも、歯肉の裏側のず
っと奥に付くから、いくら歯を磨いても、下の肉を裏返せばゾッとするほど歯石が沈着して
いる。歯磨きは歯茎の上に見えている部分をキレイにしているだけで、歯肉の裏側をキレイ
にするには、定期的に歯石除去のメンテナンスを行うべし。できれば月に1回」である。
この予防的歯科医療を、歯科医を開業する著者は20年以上にわたって実践してきた。ボクは
70歳を過ぎた頃から、半年に1回、歯科医院を訪ねるようになったが、それまでは、「歯が痛
くならなければ、歯医者には行かなかった」。歯を削る音と麻酔がイヤだったからだ。
これについて著者は、「『ちょっと痛み出した』とか、『ときどき痛む』といった状態に
なったらほとんど治せない。大多数は、大修理の後、抜髄(神経をとる)の対象になるだけ
」。さらに、「大修理をしても、その周辺につなぎ目や段差があるから、そこに汚れが貯ま
りやすく、再び虫歯が発生しやすくなる」と述べる。
だが、「歯を失う原因の70%は虫歯でなく、歯槽膿漏による。その歯槽膿漏は、20代に「初
期」、30代は「初期から中期」、40代は「中期」、そして、50代にさしかかる頃から「末期」
の状態が現れ、やがて全部の歯が抜け落ちるのだが、昔は、その前に50年の人生(平均寿命)
そのものが終わっていたから、歯医者で痛い目にあう前に、めでたく寿命が尽きていたとい
うわけ。
ところが日本人の寿命が延びて、命が滅びる前に、歯の滅びる方がはるかに早くなった。厚
生省と歯科医師会が始めたキャンペーン「8020運動」は「80歳で20本の歯を」がテーマである。
まだ、ボクに23本の歯が残されている。だが、もっと若い頃にこの本を読みたかった。
一日3回、毎食後30分以内、時間は3分以上・・・こんな「歯磨き信仰」がはびこって
いるのは日本だけとも言われます。お昼休みに歯磨きはあたりまえ・・・でも、虫歯も歯周
病も防げていないのが現実ではないでしょうか。
先進国の中でもこと歯と口の健康に限って言えば日本はそれほど進んでいるわけではありません。
アメリカではお昼を食べたあとに歯を磨く人などいないそうです(伝聞ですいませんが)。
もちろん歯磨きに効果がないわけではなく、予防のために必要です。
ただ、予防という目的のためには、歯を磨くタイミング(起床直後と就寝直前に行うべし、
です)が重要で、人が本来もっている生理機能を侵害するほど磨きすぎる必要はありません。
口臭も起こりやすくなります。
・・・ここまでは私見も入っているのですが、この本の著者も「歯磨き信仰を捨て、月に一
回の歯石取りを受けること」というように述べています。順を追って、虫歯・歯周病について、
治療と予防について、メインテナンスの重要性について、などが述べられてあります。
私どもの医院でも同じような診療方針ですし、共感できるところも多く、実践もしています。
「どうしても必要でなければ行きたくないところ」の代表選手と言われる歯科医院ですが、
美容院に行って髪を整える感覚で、月に一回歯石取りをしてもらうというような付き合い方
をなさると、あのイヤな治療をしなければならない可能性も低く抑えることができますよ。
神保町の岩波書店で入り口の一番いいところに平積みされていた本。帯に「歯磨き信仰を、
捨てなさい」と大書してあるのでちょっと気になったので立ち読みしてみた。日本人の成
人のほとんどがこの病気にかかっているけれど、歯磨きだけでは絶対に進行を食い止める
ことは出来ないとのこと。いろいろな薬用練り歯磨きも効果はすくないという。唯一食い
止めることが出来る方法は……。
一ヶ月毎の歯石除去だということでした。
河田氏は何十年という歯科医師としての経験と長年のデータの蓄積から、これについては
強い信念を持たれるようになった由。非常に説得力のある本です。日本の医療関係者の通
念や健康保険制度のおかしなところもきっちり指摘してあり、そのへんの勉強にもなる。
散人は虫歯はないから(歯医者さんがいつも感服する)注意するのはこれだけだな。さっ
そく曙橋コンフォガーデンの歯科クリニックに行った。あそこすごく親切で近代的でおす
すめ。先生たちもみな美人。河田先生の言っていることは100%正しいとおっしゃって
いる。
「さらば歯周病」河田 克之
おすすめ平均
年1回の歯石除去で十分なのか?
歯科衛生に多少なりとも興味のある方は必読の書、と思いました。著者河田氏は「歯槽膿漏
(歯周病)の元凶は歯石」と言い切っています。本書を読んで驚いたのですが歯周病の原因
は口腔内の細菌なのか歯石なのか未だ決定的な要因は特定されていないという事実。諸説あ
る中で河田氏は本書で詳述される自身の研究・臨床経験から歯周病の最大の原因は歯石であ
ると確信、自らの患者に「月1回」の歯石除去を20年間続けてきました。氏のアドバイス
に従った患者、通院を怠った患者の差は歴然。昨今、ようやく「歯科医療後進国」日本でも
ようやく歯石除去の必要性が認識され、歯が痛くなくても「年1回」歯石除去のための通院
が定着しつつありますがそもそもこの「年1回」の根拠は何か?については本書の中に回答
があります。
呆れました。わたしも毎日電動歯ブラシを携帯、週1回はデンタルフロス、年1回歯石除去
を行い、我ながらパーフェクトなケアをしていると自負していましたが、本書読後は恥ずか
しくなりました。河田氏はそもそも幼少期からの刷り込みで日本人はブラッシング信仰が強
すぎると述べていますが、歯磨き万能の発想がいかに間違っているか本書を読むとよーくわ
かります。歯の構造から虫歯・歯槽膿漏の原因・形成プロセスまで大変わかりやすく書かれ
ていて、わたしのような門外漢でも全く苦痛なくさっと読めました。読了後早速歯医者のア
ポをとりました。
歯周病(=歯槽膿漏)の原因についてまだ定説が確立されていない中、20年の治療実績で実
証された説明は非常に説得力がある。結論は「歯磨き信仰を捨てて、毎月歯医者で歯石を取
りましょう」。このことを結論付けるための説明が、素人にもわかるように丁寧に述べられ
ている。歯磨きをそれなりにしっかり続けているのにも関わらず、徐々に歯周病の経過が悪
くなっていく私にとって、まさに歯の間につまったごっついカスを取り除いてもらったよう
にすっきりした解説が展開されている。
また、歯周病についてのみならず、虫歯や歯列矯正あるいは理不尽な医療行政など、歯に関
わる他のトピックについても興味深い意見が述べられている。歯のことが少しでも気になる
人は、読んで絶対損はないと思う。
内容はすばらしい。感動しました。 東京ならどの歯科医院で、ご提案の治療サービスの提
供が受けられるのか。 その検索方法を示してくだされば、満点です。 著者にお知らせくださ
い。 上野池之端 吉田厚64歳欠損歯ゼロ
1ヶ月に1回の歯石除去(メンテナンス)で、健康な歯と歯ぐきが保てるという主張は、20年
間に及ぶ診療生活で得たファクトに基づいていて、非常に説得力があります。
僕はこの本を読んで早速、行きつけの歯医者に行って歯石をとってもらいました。「これ
からもちょくちょく来ていいですか?」と聞いたら、「もちろん、いいですよ」というお返事。
ここの歯医者はメンテナンスOKなのだとホッとしました。歯科保険行政のこれまでの問題点
もあぶり出していて、とても興味深かったです。
『ほんとうは治る防げる歯槽膿漏』を書いた丸橋 賢さんは、歯周病を、現代の生活に複雑に
根を張る生活由来性疾患であると説き、食生活の改善など訴えておられますが、この本でも、
普段生活する上での予防法にまで踏み込んでもらえれば、より良かったと思います(そこまで
書くスペースがなかったのかも。。)。
私は20代から30代のはじめにかけて、月に1回歯医者さんへ行っていた。別にどこが悪 いということではなく、歯の定期的な手入れをしてもらうためだった。その歯医者さんが高齢 のため引退されてから、定期的な歯医者通いをしなくなってしまった。その時点で、新しい歯 医者さんを見つけて定期的な歯のメンテナンスを続けていればよかった。この本を読んで、あ らためてそう思う。
ソニケア(somelog推奨アイテム:超音波電動歯ブラシ)のおかげもあってか、ここ2年近
く、歯医者さんのお世話になることはなかったのですが、年末恒例、久しぶりに歯茎が腫れて
しまいました。そこで馴染みの歯科医院にてレントゲンをとると、その結果に愕然です。
わずかではあるのですが、歯槽膿漏が深く、静かに進行しているではありませんか!
年1回の歯石除去はサボっていましたが、これだけ丁寧に歯磨き&ブラッシングをしても歯槽
膿漏の進行を止められないとは...。
さらば歯周病
結局、今の医学でも歯槽膿漏の原因が、細菌によるものなのか、歯石によるものなのか、分か
っていないのが現状のようですが、この本の著者は、歯石説派として月1回の歯石除去を勧め
ています。
まぁ、世の中には、まったく適当なメンテナンスだけで充分、歯槽膿漏って何?みたいな人も
いますから、体質にもよると思うのですが、30代後半からボチボチ、歯茎のトラブルを経験
している方、ぜひ、ご一読ください。歯周病をなめてると、後が怖いですよ〜。
歯は再生されない、だから深刻なのだ。”普通”に過ごしていたら、50代で・・悲惨・・
”歯磨き信仰を、まず捨てなさい。”1ヶ月に1回、歯医者で歯石を取ろう!と言っても無理で
しょうが、3ヶ月に1回では、ちょっと心配・・・
----典型的な”歯”の生涯-------
<歯の崩壊方程式>
10代 虫歯治療
20代 治療した歯が痛みだし、神経を取って銀歯に。
30代 銀歯が痛くなり、抜歯。隣歯を削ってブリッジに。
40代 ブリッジ脱落。ブリッジを支えた歯が崩壊。部分入れ歯に。
50代 歯がぐらつきだす。歯槽膿漏との診断。次々と抜歯が始まる。
60代 歯科受診のたびに抜歯、入れ歯を繰り返し、大半が入れ歯となる。
70代 総入れ歯。
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<歯槽膿漏=歯周病の歴史>
1980年代 歯槽膿漏に旧・厚生省が警鐘を鳴らすが、歯石には細菌がないから問題なし、と
判断される。そして細菌つまり歯垢(プラーク)の駆除としてのブラッシング至上主義の時
代が続く。
1990年代には歯石が注目されるが、ブラッシングでは歯石はとれない、ということが問題に
なる。
2002年の保険改正によって、メンテナンスが導入されるが、一般の開業医には、まだまだ
敷居が高くて導入できていない状態。
<結論>
メンテナンスこそが歯を守るための唯一の策である。
日本の歯科医療レベルは高いが、日本人の歯は世界で最低のレベルにある現状を認識しよう。
1ヶ月に1回、歯医者で歯石を取ろう!
メインテナンスの重要性はよく理解できるが、推奨されている「月一回の歯石除去」は頻度
が過剰ではないのかなぁ?
いま通っている米国の歯科は4-6ヶ月に一回のProphylaxisを推奨。もう7年以上続けているが、
その頻度で今のところ快適。